民俗学
最近まで私の履歴書に載っていた谷川健一は
履歴書のフォーマットを超越していておもしろかった。
それに触発されたわけでもないが
最近柳田國男を読んでいて、そこに妖怪の段があったのだが
そのまた小豆洗いの項で「音もいろいろあろうに何故小豆を洗っているとみなしているのか非常に不思議」というようなことが書かれていた。
しかし、これは音を聞いたことのあるヒトはもう小豆に間違いないということは解ってしまうのだな。
しじみでも米でもない、まごうことなき小豆の音なのだ。
私が小学生低学年の頃
ウチの前を流れていた川から
深夜音が聞こえて、おそるおそる音のする方をみてみると
ぼんやりと赤黒く光るものが見えたということがあった。
このときの音は間違いなく小豆だったと言えるのである。
しかし、思うにこれも見知った動物が夜中に未知の音を出しているというような
人間の知覚範囲の狭溢さを示す一事例ではないかなという気がする。
鳥か水生生物な気がするな。